傷痕~想い出に変わるまで~
大学を卒業する前の年の夏の終わりに光と二人で花火をしたことを思い出した。
夏休みに友人たちとキャンプに行った時の手持ち花火がほんの少しだけ残っていたから、夏が終わる前にやってしまおうと二人で近くの河川敷に行った。
線香花火の火花をじっと見つめながら光は言った。
“俺、この先ずっと何年経っても瑞希と一緒にいたいよ”
線香花火の火の玉がポトリと落ちると、光は顔を上げて私の目を見つめ、“瑞希は?”と尋ねた。
私はなんの迷いもなく“私も光とずっと一緒にいたい”と答えた。
思えばあれが初めて結婚を意識した瞬間だと思う。
あの頃は大学卒業後に別々の会社に就職してそれまでと環境が大きく変わることが二人とも不安だった。
好きだから離れたくない、ずっと一緒にいたいと思った。
卒業が近付くにつれその気持ちがどんどん大きく膨らんで、二人で出した結論が“結婚”だった。
あの頃はまだ若かったから、結婚すればずっと一緒にいられるものだと思っていた。
私たちは結婚はゴールではなくスタートなのだということに気付いていなかった。
大学を卒業すると同時に、私たちは結婚に甘い夢を抱いて、現実も見えないままで結婚した。
親から援助を受けてささやかな結婚式を挙げ、新居を借りて家財道具を揃えた。
経済的なことはすべて親に頼ってまで結婚しようなんて、今思えばなんて甘えた考えだったんだろう。
結婚に対して甘い理想しか持ち合わせていなかった私たちは、現実の厳しさに何度も打ちのめされた。
二人ともまだまだ世間を知らない子供だった。
夏休みに友人たちとキャンプに行った時の手持ち花火がほんの少しだけ残っていたから、夏が終わる前にやってしまおうと二人で近くの河川敷に行った。
線香花火の火花をじっと見つめながら光は言った。
“俺、この先ずっと何年経っても瑞希と一緒にいたいよ”
線香花火の火の玉がポトリと落ちると、光は顔を上げて私の目を見つめ、“瑞希は?”と尋ねた。
私はなんの迷いもなく“私も光とずっと一緒にいたい”と答えた。
思えばあれが初めて結婚を意識した瞬間だと思う。
あの頃は大学卒業後に別々の会社に就職してそれまでと環境が大きく変わることが二人とも不安だった。
好きだから離れたくない、ずっと一緒にいたいと思った。
卒業が近付くにつれその気持ちがどんどん大きく膨らんで、二人で出した結論が“結婚”だった。
あの頃はまだ若かったから、結婚すればずっと一緒にいられるものだと思っていた。
私たちは結婚はゴールではなくスタートなのだということに気付いていなかった。
大学を卒業すると同時に、私たちは結婚に甘い夢を抱いて、現実も見えないままで結婚した。
親から援助を受けてささやかな結婚式を挙げ、新居を借りて家財道具を揃えた。
経済的なことはすべて親に頼ってまで結婚しようなんて、今思えばなんて甘えた考えだったんだろう。
結婚に対して甘い理想しか持ち合わせていなかった私たちは、現実の厳しさに何度も打ちのめされた。
二人ともまだまだ世間を知らない子供だった。