幾年の愛を


「もちろんだ」



私は何とか起きあがり、動きやすい服に着替えた。


「あ…」



今気がついたが私の手には包帯がまかれていた。
ずいぶん強くにぎっていたんだな…


「采羽…」



クロは私の手をとりたれ始めていた私の血を舐めていた。


「クロ?」


私の血をなめた瞬間、クロの目が紅にまった。


「俺は…吸血鬼だ」



どうして今、クロがそのことを話してくれたのかは
わからない。
でも…嬉しいとさえ思う。


「初めて…貴方の事をしれた気がします」


「…怖がらないんだな」


「怖がるところ何てありませんから」



クロは目を細めながらほほえんでいた。



「クロ…行きましょうか」



私達は玄関ではなく裏門の方から行こうと思い、
向かっていると先についていたのは紅葉君だった。


「俺も連れていけ」



 
< 65 / 135 >

この作品をシェア

pagetop