【童話】てのひらに雨
今日のたいいくもとびばこで、わたしはできないわけじゃないけど、じめじめした体育館がニガテだった。

でも、体育よりすごくいやなのがあった。

かみなり。


授業中、なんかいもおそとがピカッてなるから、わたしはドキドキがとまらなかった。
ずっとドキドキしてて、いやだった。

帰る時間になって、昇降口にいると大きなかみなりが鳴った。


しのちゃん、かみなりコワい?


れいくんがわたしを心配して、また手をにぎってくれた。
ひだりてににぎられたカサは、わたしをぬらさないようにしてる。


コワくないよ。
れいくんがいるもん。

そう言ったら、また大きな音が聞こえた。
わたしはきゃぁぁっ!って言って、またしゃがんだ。

そしたられいくんは、わたしをぎゅうってしてくれて、それから頭をポンポンってやさしくなでてくれた。


うそつき。
こわいくせに。


ぎゅうってされてたからわたしの顔はれいくんには見えなかったけど、わたしの顔は真っ赤で、涙でぐしゃぐしゃになってた。


それから、わたしは大事なことを思い出した。
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