山あり谷あり、恋もあり。

秀太はとにかく口が悪い。


間違ったことは言ってないよ?



でもさ、言い方っていうものがあるでしょ。


そういうのお構いなしに言ってくるから、腹が立つ。




「秀太が早く来るから、髪の毛をちゃんと梳かす時間無かったの!

だから仕方なーく手ぐしでしたんだもん。

秀太のせいだ。」


秀太に肩パンチしてうっぷんを晴らす。



「お前、そうやってすぐに手が出る癖、直した方がいーぞ。」


秀太は私を見下すように、上から睨んでくる。




うわ、こっわ。

って言ってもね、これ大体毎朝あることだから、実は全然平気なんだ。





秀太は178cmあって、私は157cmだから、秀太に睨まれた時は下から睨み返してやるの。




そのまましばらくそうしてれば…


「はぁ、もういいわ。行くぞ。」



秀太が先に折れて、カバンを少しだるそうに肩に掛け直して歩き出すんだ。




私は小さくガッツポーズをして、秀太を追いかける。





毎回秀太を殴ったりはしないけど、睨まれて睨み返すのは、日課と言っても過言ではないかもしれない。



これで毎日が始まるって感じ。
< 3 / 53 >

この作品をシェア

pagetop