脱・ヘタレ彼氏!
複雑です。-理央side-
「はぁー……」
「ため息なんかついて、どうしたんだよ」
自分の席で深く息を吐くと、俺の前の席に座ってこちらを向くのは弘也。
その弘也をじっと見つめる。
……やっぱりイケメンだ。
男の俺から見ても思うんだから、女子からしたらもう王子様にも見えるのかもしれない。
「見つめられると照れるじゃん、理央くんったらぁ!」
いや、王子様は言い過ぎた。
俺の肩をトンと押す弘也をもう一度しっかりと見る。
弘也はイケメンでモテるし、すごく親しみやすいから誰とでも仲良くなれる。
前からそれをうらやましいと思って、ちょっとの憧れを抱いて、俺も弘也みたいになれたら、なんて思っていた。