暴走族に恋をする。

お友だちができました。




━━翌日


「おはよ!桜子ちゃん!」


家を出て5メートル先、快斗が私を待っていた。


「待っててくれたの?」


「だって他の族のやつがいつ来るかもわかんないし。
なにより桜子ちゃん今日も可愛いから他のやつにナンパされたら困るし!
行こ!」


快斗はそういって私の手を握って歩き出した。

こうやって手を繋いで登校なんて、カップルっぽくて嬉しい。
初めてネクタイを絞めて、快斗と手を繋いで……

快斗の彼女なんだって、自信が持てる気がする。


「あ、そうだ。
俺今日教習所の日なんだ。だから帰り送れないんだけど、蓮たちといる?」


「まぁ、黒崎君たちがよければだけど…
ただ塾の先生が入院になっちゃって、1週間塾が休みになっちゃったからできれば勉強したいの。

でもみんなに毎日教わるのも悪いからたまには家でもいいかなって思ってる。」


「っていうか毎日勉強しなくていいと思うけど?
あいつらいたら短時間でできるようになるじゃん。」


「でも暗記物とかは自分で頑張らなきゃだし。」


「たまには遊ぶことも大事だと思うけどな~」


「……遊びかぁ…」


たまに勉強を休むと、そのまま遊びの方が楽しくなってしまいそうで怖い。
昔がそうだったから……


「ま、無理にとは言わないけどね。
でも土日どっちかは俺とデートしてほしいなー。」


……デート、か…
そっか、恋人同士だとデートするものなのか…


「あの…じゃあ土曜日の学校のあとなら…」


「まじ!?やったね!
でも日曜日は何すんの?」


「日曜日は家のことをしなきゃいけないんです。」


「え、いつもそうなの?」


「ううん、そうじゃなくて
次の日曜日ははお母さん、社員旅行なの。日帰りだけど。
でもお父さんはいるから、私がご飯の支度とかしなきゃで。」


「あ、そうなんだ。偉いね。」


「そんなことないよ。
お母さんが、家事くらいできないといいお婿さんが来ないからって。」


「へぇ、そういうことも言うんだな。」


「女としての魅力もあげなさいってうるさいの。
結局はいい結婚相手を見つけるためだもん、全部。」


勉強も、見た目も、礼儀も……



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