暴走族に恋をする。

変身させられます。




そのあと2時間ほど休憩挟みつつ、大津くんに数学を教わった。

本当に、こんなに分かりやすい人は他にはいない。
私が1日がかりでやる範囲を、この人はたった2時間で終わらせた。
たった2時間だったけど、かなり理解をした。


「………なんか、これじゃ本当になんで塾に行ってるのか…」


「ただの時間の無駄だって。
テストは現代文、古文、数学、科学、生物学、世界史、日本史、近代史、英語の9教科だけど、俺ら5人いれば全部余裕だよ。
本当に俺抜かされそうだもん。」


「え、大津くんはさすがに無理でしょう。」


「そんなことないって。
俺はみんなに教わることなんてないしさ。
俺らの得意なところを1つずつ足していったら俺なんかすぐ抜かせるよ。」


「………そうかな。」


「そうだよ。
学年1なんてさ、お母さん喜ぶんじゃない?
中間テスト頑張りなよ!」


学年1、か………
今の私には到底無理。
だけど…昨日の英語もそうだけど、あの人たちに頼れば確かに無理ではない気がする。
昨日の数分で、テストで満点をとってしまったくらいなんだから。


「………ところで、今はどこに向かってるんですか?」


「ん?隼斗を納得させるためだよ。」


「答えになっていません。」


「ま、あとは俺に任せといて。」


いやいやいや。
さすがにまだそこまで信じてませんけど。


「あ、ここ。」


そういってついたのは


「………美容室…」


有名な、おしゃれな美容室だった。


「ここ、俺の兄貴の店なんだよね~」


「へぇー…え?
え、でもここって芸能人とかも通うっていう…」


「そうみたいだね~」


そういって大津くんは中へ私の腕をつかんだまま入っていった。


「あーにーき。」


「おう、快斗。
………彼女?」


「んー、まぁ未来の?」


なんて笑いながら言ってる大津くんだけど私はそれどころじゃない。
本当に本当に、大津くんそっくりなお兄さんが立っていて、驚いてしまった。完全に。


「どのくらいかかる?」


「ま、二時間もあれば余裕。」


「了解。
じゃ、あとは頼んだ!俺ちょい出てくるから!」


そういって大津くんはお店から出ていった。




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