TUG of WAR ~恋のつな引き~
「それは、先生として一生徒が心配だからだよ。」



いかにも他人行儀な笑顔を私に見せる。

その顔がすべてを物語ってしまっている。



「…それなら、私じゃなくても誰にでもそういう行動できるんですか。」



自分でどんどん破滅の道へと貶める。

返事なんてとっくに分かっているのに。



「それは分からない。実際遭遇してみないと、自分が新沼と同じような行動するかなんて。」

「だとしたら、私にこれ以上優しくしないでください。」



一呼吸置いて話を続ける。



「先生この間、もし俺が同級生だったら優しさに惚れてるって言いましたよね。
私は、例え先生が先生だとしてももう惚れてしまっているんです。」
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