TUG of WAR ~恋のつな引き~
「……分かった。先生がそう思ってるなら、私は受け入れるよ。」



一杯飲んだあと、私たちはバーを出た。

もう直ぐ10月を迎えようとしたこの時期、秋らしい風が吹く。

駅までは直ぐだった。



「じゃ、俺はもう一軒飲んでいくな。新沼も気を付けて帰りな。」

「はい。」



もうこうして会うのも最期だろう。



「じゃあな。」



これで最期とは思えないくらいの笑顔を私に見せて手を挙げる。


さようなら。


私も笑顔を見せて明るくそう言いたかったが、それができるほど大人ではなく、
ただ先生の後ろ姿を見る事しかできなかった。




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