TUG of WAR ~恋のつな引き~
【番外編】卒業スパイラル

Side*Kazuto




まだ桜は蕾のままで寒さも残る3月10日。

無事に卒業式が終わり最後のHRをしたところだ。

そして暫く会えない、若しくはもう二度と会うこともないかもしれない同級生を惜しんで写真を撮りあっている光景が廊下や教室で繰り広げられている。


……自分で言うのもあれだが、
俺はどちらかと言うと人気のある教師だと自負している。

そのおかげで、この時間もひっきりなしに写真を頼まれる。

写真を撮るたびに、
「もう○○に会えないと思うと寂しいな」
とか
「大学でも元気にやれよ。」
「浪人大変だけど1年間必死に頑張れば結果はついてくるから。」
などと、生徒一人一人に声をかける。

しかし、俺が今声をかけたくて堪らない肝心の相手は俺の前へと現れない。



まさか帰ったんじゃないよな……?



だとしたら許さないぞ、新沼優佳。

夏休み明けに成績が芳しくないと風の便りで聞いてから、メールや電話を控えた。

向こうも受験勉強で忙しく恋愛は二の次になったのか、俺と同じ様に頻度が減っていった。

国公立の試験前日にさえメール1つ送れないほど、関係が疎遠になってしまった。
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