*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
ふたりの距離








放課後。

竜憧くんの家に、いつかの仔猫を見に行くことになった。

「一匹は一昨日もらわれてったんだ。残ったやつらも友達の友達が引き取ってくれることになった」

日中、話の流れで仔猫の話題が出て、もうすぐいなくなっちゃうから見に来なよって、彼が誘ってくれた。

もちろん、仔猫も気になっていたけど、放課後一緒に帰れてなんだか嬉しい。

前回は不安な思いを抱えながらひとりで乗った電車に彼と乗り込む。

ゆっくり扉が閉じると、景色が流れ始めた。
車輌は空いている。私たちはイスに並んで腰を降ろした。

肩が触れないくらい、わずかな距離をあけて。

意識してそうしてるわけじゃないけど、逆に意識し過ぎてそうなっちゃう。

「友達って学校関係?」

私が訊ねると彼は首を振った。

「違うよ」
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