＊オレを嫌いなキミが好き。＊日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子＊

「かんぶって」

「"幹部だ"っつの！」

あのさ、私だって"幹部"って言葉の意味くらい分かるよ、でも暴走族に幹部って何だよ？マフィア気取り？

…………アホらしい。

でも小海は見事に私の気持ちとは真逆に、テンションあげあげだ。

「しかもやっぱこの周辺で見かけたって！やべェ、ばったり会っちゃったして！」

「………」

「見ろよこのツイート、たった10分ですげーふぁぼとリツイされまくり！」

小海が見てるのはツイッターらしい。

だが生憎、私はツイッターにも魔陀羅の幹部にも１㎜も興味がなから、何がすげーのかサッパリだ。

「でもやっぱ幹部の画像上げてるヤツはいないな……これまで誰も撮れてないもんな…………あー、もし幹部と写真撮れたらヤベェよなァ…………マジヤベェよ…………」
。

なにそれ宇宙人？

私が無反応なものだから、小海はスマホをタップしながら、ほぼ独り言状態。頭が違うところに行っちゃってる。

しかし話だけ聞いてると、(宇宙人じゃないにしろ)芸能人のことでも言ってるみたいに聞こえるから呆れちゃう。