LOVE物語3
すると、遥香の瞳から涙がこぼれ落ちていた。




「遥香?」




次第に乱れていく呼吸。




ゆっくりだけど、遥香の呼吸が早くなっていくことに気付いた。




「遥香、起きて。」




きっと、過呼吸の前兆。





遥香の肩を揺すって、起こした。




「ハァハァ…尊?」




「大丈夫。」




近くにあった紙袋を、遥香の口元に当てて、背中をさすった。





少しだけど、震えていることが分かる。





シーツを握りしめる遥香を見てから、




「大丈夫。ゆっくり呼吸して。慌てずに。」





徐々に呼吸が落ち着いてきた。




それを確認してから、遥香の服の中に聴診器を入れて、胸の音を聞く。




少しだけ早いけど、さっきよりは安定してきた。





「遥香。」





診察しながら、遥香は片手で俺の白衣を握りしめ俯いていた。





「遥香。」




俺は、優しく遥香を抱きしめた。





「尊…ごめんね、仕事中だったよね。」






「遥香。そんなこと、気にしなくていい。それより、不安なことあったら話して。」




「え?」




「何かまた悩んでるんだろ?」



「…今は大丈夫。」



「そうか。話したくなったら、いつでも言えよ。遠慮するな。」




「ありがとう。」





「もう、1人で悩むな。」




遥香は、頷いてくれた。



きっと、今は実習のことでいっぱいいっぱいになっているんだろうな。




遥香を抱きしめていると、気づけば遥香は眠りについていた。




「寝たか。」




こういう可愛いことされると、理性を飛ばされそうになる。




思わず、表情筋が緩み、遥香をベッドへ寝かせた。
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