あなたに出会えた奇跡
「悠真!?走って来たの?」


いつもとは違う悠真の様子に、私は反射的に悠真に駆け寄っていた。


「どうして……」


「どうしてって……栞が待ってるから。寒いでしょ?」


悠真はそう言って、私の肩に悠真が着ていた上着を掛けてくれる。


「私は大丈夫なのに」


「僕がしたかったんだ。栞は気にしないで。それ、着ててよ」


「……うん」


私が素直に悠真の上着の袖に手を通すと、悠真は笑う。


……悠真は、いつだって優しいんだ。


私は、そんな悠真を傷つけてしまうかもしれないような人間なのに。
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