好きを百万回。 〜Revenge at Boston〜
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何かを必死に堪えるように

まだ心はオレにある筈なのに

ワザと酷い別れの言葉を告げたことに気付かないほどオレは鈍いわけじゃない。



ただボストンにいる2年の間は、そばにいて抱き締めてやれないし、守ってやれないことは紛れもない事実だった。



だからといって、簡単に諦めて手放してしまえるほど軽い存在じゃない。

日本を離れる前に、他の男のモノになったりしないように充分な根回しはしてきた。



オレが留学したのは世界中から秀才が集まる場所。

学校が終われば大学近くに借りたコンドミニアムに帰って辞書を片手に膨大な資料を読み込み、レポートに追われる忙しさの中でも、SNSだけは毎日更新した。


元気で暮らしていることを遠く離れてしまった彼女に伝えられるように。





オレが日本を発ってすぐに、彼女が母親を亡くしたことを知った。

どれだけこの腕の中で泣かせてやりたかっただろうーーーーー。

杉浦から「こまりがもう限界。もう壊れてしまう」と連絡を貰い、すぐに飛行機のチケットを取った。
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