天使とかくれんぼ
茜に近づくことなく、遠くなることもなく、ただ同じ道を歩く。
彼女作れよかー。
俺はふとさっき蹴りをくらったときの茜の言葉を思い出していた。
俺、榊原真尋(サカキバラ マヒロ)という人間は、真実を求め続けるような人になれという名前由来とは正反対に、真実から逃げて生きていた。
本当のところはどうなっていようと、今俺がいる空間が守られればそれでよくて、環境にあわせて俺自身を変えて生きてきた。
それはきっと、俺だけが特別なわけじゃなくて、みんなそうなんだと思う。
自分より強い人間には目をつけられたくなくて、へこへこしたり
好きな人に好かれたくて、自分の汚くて真っ黒な部分を押し隠していい子を演じていたり
周りについていきたくて、たいして興味もない音楽を聴いてみたり
きっとこれってみんなやってることで、普通のことなんだと思う
でも、最近の俺はそれに疲れてきて
中肉中背、頭も可もなく不可もなく、運動も人並みにはできるけどそれ以下でもそれ以上でもない。
たいした趣味もなければ、人と話すのは下手だし、字も汚いし
なにも無理してない素の俺でもいいっていってくれる人としか関わりたいと思えなくなってきた
だから、何となくほしいだけで手にいれた彼女なんかいらない。
一緒にいて癒される、疲れない人を努力して手にいれたい
