透き通る季節の中で
第6章 喜びと悲しみと
 この日も一年生部員のみんなで中庭に集まった。

 夏休みも今日で最後。明日から二学期。
 ということで、みんなでファミレスで食事をしようということになった。


 今日は競争はせず、みんなでおしゃべりしながら歩いていき、駅前のファミレスに入った。
 
 向かい合いの六人席。
 私の両隣には、美咲と山下くん。
 向かいの席には、友紀とまっちゃん。

 友紀はシーフードパスタ。
 美咲はイタリアンチーズハンバーグ。
 まっちゃんはエビドリア。
 山下くんが目玉焼きハンバーグを注文したので、私も目玉焼きハンバーグを注文した。

 ドリンクは、友紀がコーラ。美咲はアイスコーヒー。まっちゃんはジンジャーエール。
山下くんと私はオレンジジュース。

 デザートは、友紀とまっちゃんがチーズケーキ。美咲がティラミス。山下くんと私はチョコレートパフェ。

 こうしてみんなで食事をするのは初めて。私は嬉しくて仕方がない。


「咲樹と山下くんは全部一緒ね。もしかしたら、デキてるんじゃないの?」
 友紀がニヤついた顔で言ってきた。

 私は恥ずかしくなってしまい、何も言えなかった。
 山下くんも恥ずかしそうにしていて、黙り込んでいる。

「二人とも顔が赤いわよ。やっぱり、デキてるのね」
 友紀がまたニヤついた顔で言ってきた。

「ニヤついてないで、早く食べなさいよ」
 美咲が友紀に言ってくれた。
 まっちゃんは何も言わないでいてくれている。
 
 それでも友紀はしつこく追及してくる。

 私と山下くんは無言で食べ続けた。
 
「いいなあ。私も彼氏が欲しいな。素敵な王子様と出会えるように、ビールを飲もうかしら」
 友紀のおしゃべりは止まらない。

「訳のわからないこと言ってないで、さっさと食べなさいよ」
 美咲が友紀に言ってくれた。

「はーい」
 友紀のおしゃべりはようやく止まった。

「みんな、夏休みの宿題は終わった?」
 美咲が話題を変えてくれたことで、山下くんの口数は増えていき、私も普通に話せるようになった。

 この五人でのおしゃべりは本当に楽しい。

 滅多に食べないチョコレートパフェ。じっくりと味わって食べようと思う。
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