透き通る季節の中で
「この三人で、ワン・ツー・スリー・フィニッシュしないとね!」
 美咲が力強い声で言った。
「他の部の人たちには絶対に負けられないよね!」
 友紀の声も力強い。
「そうだよね。頑張って走って! 絶対に三位までに入ってみせるね!」
 私は珍しく大きな声で言った。

 以前の私だったら、無理なことは無理。と言うか、曖昧な言い方をしていたと思う。
 美咲と友紀に向かって、絶対に三位までに入ってみせる。と言えたのは、これまで頑張って練習してきた成果だと思うし、自信の表れなのかもしれない。
< 53 / 268 >

この作品をシェア

pagetop