透き通る季節の中で
 入院五日目にして、退院の許可が下りた。
 お母さんに付き添われ、タクシーに乗って自宅に戻った。
 今日からリハビリ開始。


「膝の痛みが消えるまでは、無理しないでね」
「うん。わかった」



 自宅でリハビリ生活を送っているうちに、新学期が始まってしまった。

 始業式に出られない。
 授業も受けられない。
 そして、何よりも、部活に出られないことが辛い。

 部屋の窓から外を見ると、薄ピンク色の桜の花びらが風に乗って中を舞っている。
 
 散っていった桜の花びらのように、私の青春も散ってしまったのだろうか。
 気持ちが滅入っていると、後ろ向きなことばかり考えてしまう。
 寂しくて寂しくてたまらない。
 本当にもどかしくてたまらない。
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