ろ う そ く



《ごめん。
私、隣のクラスの太田が好きやねん。》



そのメールを、武山に送った。




もちろん、私が好きなのは武山以外の誰でもない。


だけど…

そんな方法しか思い付かんかった。



今考えれば、私はアホやった。







武山からメールが来る事は、なかった。



最初で最後の最悪の嘘。




武山から返事が来る事は、二度となかった。――



小5の夏。






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