ろ う そ く


「桜庭、長崎と別れたらしいな。」



今日は、久々に一緒に本田と登校している。



「うん。」



「お前さぁ、俺が今お前にコクったらOKする?」



私の脳裏には、絢音の言葉がよぎった。


“武山は過去の人間”



納得する事のできない事実が、私に突き付けられた。



私が生きてるのは、今やねん。



「いいよ?」



「じゃあ、付き合おっか。」




変な告白やったけど、私の2人めの彼氏は本田になった。


永遠に閉ざしたはずの気持ちは、一瞬にして開かれた。

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