君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】

泡沫の春






「はーい!今日はこのクラスに新しい仲間が増えます!」


新学期早々、朝のSHRで先生のうるさ……いや間違えた。明るく朗らかな声が響いた。


いつもは携帯を弄っていたり友達とこそこそ話したりしている子も、今日ばかりは気になる話題だったからか先生に注目する。


新しい仲間、か。進級するこの時期ってことを踏まえると転校生?


「その子は――っじゃじゃん!春子ちゃんだ!」


そして先生が皆の前で紹介したのは転校生の女の子――――ではなく、背中に隠しもっていた小さな植木鉢だった。


その中心では蕾からちょっとだけ白い花びらが覗いていた。


「はー!?ただの花かよ」


「期待して損した~」


「人間の可愛い春子ちゃん連れてこいって」


一斉にはーぁ、と深く溜息をつきがっかり。


先生が春子ちゃんを披露する前の興味津々な眼差しはどこへやら、皆それぞれだらっと体勢を崩して友達とのおしゃべりを再開。


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