その恋、あと3センチ
するとあっという間に先生の教室についてしまった。
コンコン、
「どうぞ」
中から先生のいつも通りの声が聞こえる。
「……っ、」
手が、ドアに触れてそこから動かない。
もうやだ、私メンタル弱すぎない?
はぁ、とため息をつくとドアがガラッと開いた。
「……なにしてんの?」
なかなか入ってこない私を先生が迎えに来てくれた。
「あ…いえ」
「暖房はいってるから早く入って。
寒い」
先生はそう言って先に教室に入る。
私もそれにゆっくり続いた。
そしてドアを閉めると、いつも通り先生の向かい側の机に荷物を置いた。