spicy◇candy
4感覚の違い
翌日は、昨日より頭が重かった。せっかくできた友達とこんなにすぐに揉めるのだから。朝食も、初めて喉を通らないという感触があった。

「昨日と顔色が違うけど具合悪いのか」

父の心配そうな一言に、母も同調して顔を曇らせた。俺は隣の席に目をやった。樹は起きてこない。ズル休みをするつもりなのか、その後も彼は姿を見せなかった。

本当は俺の方が学校など行きたくないのに。完全に樹に幸せの全てを吸い取られた気がして余計に苛立ちを覚えた。

「何でもない」

俺は知らないそぶりで食器を片付け、鉛のように重い足を引きずり、靴を履くことに専念した。
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