銀木犀

「こんばんは。夜分遅くにすみません!」


この日の芝居の為、いつもより丁寧に言う僕に「……気持ち悪い」と、今度はユカとお母さんが声を合わせてそう言った。


「そ、そんなあ……」と、僕は悲しんでみせる。


笑う二人。


(よし! 和やかになればなるほどいいぞ!)


いよいよ作戦を実行する時が来た!


僕はユカに目配せをした。
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