恋色




彼の名前は冬紀ユキノ
あの有名な大手会社会長兼取締役の跡取り息子らしい。


「アカリ、最近色鮮やかだね。」

「そう、冬紀くんが教えてくれるから思い出せただけ。」

そう言うと冬紀くんは私を後ろから抱き締めながら私の後ろ髪に頭をうずめた。
これは冬紀くんが寂しいときにすることで最初はびっくりしてあわあわと慌てたけどもう慣れた。

「好きだよ、アカリ」

何度も聞き慣れた
きっとこの人の言う好きは私たちが言う好きとは重さが違う。

最近はこの人のおかげで些細なことで嬉しかったりメールが着ただけで心が踊ったり日常生活に色がついた気がする。
家に帰るとお母さんは相変わらずこんなものじゃないでしょうと怒るけど私はこの人に褒められたらそれだけでいい。

「私も好き。」

「そっか、俺も。じゃあ」



向き直った冬紀くんは私の口に口付けて抱き締めた。
「結婚しようか。」





「え」
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