ガラクタ♂♀狂想曲
「——見てのとおり、いま瑠美は形振り構わず必死ですよ津川さん」
携帯を指差し、そう言うオーナー。
「脅迫されてる気分です」
「どこがですか? ひとつの案です。もし津川さんが俺の案に賛同してくだされば、あいつへの刺激にもなります」
「だけど」
やっぱりこれが選択できる道とは違う気がする。
「俺は、どちらでも構いませんよ」
まただ。
オーナーのこういうところってズルイと感じてしまう。
「無理を承知で打診しただけですので、気になさらないでください」
そして煙草を灰皿へ押し付けたオーナー。
よくよく考えれば、こんなふうにわざわざお見合いを断る口実など作らなくても、オーナーなら口で丸め込めると思う。なのにそれをせず、こんなこと。
だったらやっぱりデンちゃんのためなのだろうか。そうだったら、なんか凄い。だけど、やっぱりおかしい。
「そんな嘘、お見合いした相手の方にも失礼です。断るなら断るで、きちんと」
「とかくいまだ世間というものは、俺ほどの顔を持って生まれ、しかもそこそこ世渡りできる性格なのにも関わらず、いつまでも未婚では無能と決め付けがちですからね。いずれはきちんと考えますよ」
唖然。
「どうして、私なんですか」
「最も隼人の刺激になる方ですからね。それに後腐れもなさそうですし、なにしろ気が合います」
呆れしまって溜息しか出ない。