ガラクタ♂♀狂想曲

「ほらもう帰るぞ。おじさん、ヘトヘトだ」

「えー、ヤだァ」

「もう気が済んだだろ? いま何時だと思ってるんだよ」

「まだ帰りたくないしぃー」

「おい愁! お前も道連れにしてやるから、早くついて来い」

「え?」

「そう、お前だ、お前」

「え、ええ??」

「いいから早く」

「ちょ」

「早くしろ」


そして無理矢理に近い形で八木さんの車に押し込まれてしまう。車の中は暖かく、ついさっき降りたところなのだろうと思った。


「ねえねえ、名前は愁くんでいいんだよね?」

「こんばんは」


返事代わりにそう言って頭を下げてみる。


「あたしより若そうに見えるけど何歳? 店長とはどういう関係?」

「JKは何かといえば、すぐ人に年を聞くー」

「それ偏見〜。だってツガッちのことがあったから、先に聞いておかないとォ」

「聞いたところで、すでに敬語じゃないじゃん。どうなってんだよ、いまのJKは」


ポンポンと飛び交うふたりの会話のテンポが楽しくて吹き出してしまう。久しぶりの日本語だ。

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