ガラクタ♂♀狂想曲
無くしモノ







あれからお酒は飲まず、お互いが果てるまで何回も。

だけど私、ほんとに果てちゃったみたい…。だって最後のほうなんか記憶が飛んでるし、いつ寝たのかわからない。


「…——おはよ」


目を開けたら、すぐそこにデンちゃんの顔が。あれほど窮屈に思っていたデンちゃんの腕の中なのに、なんと私はすっぽりとデンちゃんに抱っこされた状態のまま、ぐっすりと寝ていた。


「ショコちゃん寝ちゃうし」


どこか眠そうなデンちゃん。私の頭をよしよしと撫で、おでこへ頬ずりしてくる。


「まさか、ずっと起きてたの?」

「だってショコちゃんの気持ちいい顔って最高だから、ずうっと眺めてた」


思わず黙り込んでしまう。


「冗談だって」

「窮屈で寝れなかったんじゃない?」

「俺もさっき起きたとこ」


そしてふわっと欠伸をしたデンちゃんの目尻にじわっと光が溜まる。
つられた私も欠伸をした。ふと目を落とし目に入った私の胸に、キスマーク。デンちゃんの鎖骨辺りにも、お風呂のときにはなかったはずのキスマークがくっきり。しかもふたつも。


こんなのつけて。
どうかしてるな、ほんと。

< 40 / 333 >

この作品をシェア

pagetop