ガラクタ♂♀狂想曲
置きモノ




行為を終えた私たちは解放感に身を任せ、しばらくのあいだ放心したかのようにぐったり動けなかった。デンちゃんは瞳を閉じ、いつものように私の肩を抱いている。

そして少し息を潜めた私。


湿気を帯びたかのように汗ばんだ肌はサラサラとしはじめ、密着している部分だけがまだ熱を持っていた。
なにも喋らないデンちゃんは、もしかすると寝てしまったのかもしれない。


少し窮屈な腕の中。鼻がむずむずしてくる。


「……寝た? ショコちゃん」


突然デンちゃんが、ぼそり。この体勢で寝れたのは一度だけ。返事の代わりに顔を上げた。


「あのさ、ショコちゃん」


デンちゃんの鼓動がすぐ近くに、こんなにも。
ほしい、デンちゃんが。


「俺いま、瑠美と一緒に住んでいる」


だけどデンちゃんは、信じられないことを口にする。そして天井へ向けていた顔を私に向け、体をぐるりとこちらへ。

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