お説教から始まる恋~キミとの距離は縦2メートル~
「いびきが…気になって…。」
「はぁ?」
「あなたの、いびきが、気になって!
 よく寝てるんだなぁと思って、覗こうとしました!
 すみませんでした!!」

開き直って謝った。土下座だ。
額を床にぶつけた勢いで、ゴゥンという鈍い音がした。

「な…。」

インテリメガネは勢いに気圧され、ぽかんとしているのだろう。
見えていないが、わかる。

「な、なんでよく寝ていると思ったら、覗きにつながるんだ。意味がわからない。」

ちょっと照れているのだろうか。
それともドン引きしているのだろうか。
冷たく重い声が、わずかに揺らいでいる。
さすがに動揺しているのだろうか。

「だ、第一、危ないヤツが住んでたらどうするつもりだったんだ。」
「そこまで考えてませんでした!すみません!!」

引き続き土下座を続ける。
本当に、ただの出来心だったのだ。
あまりにもいびきがうるさいから、どんな体勢で、どんな風に寝ているのか、見てやろうと思ったのだ。
ある意味、人の無防備なところを見てほくそ笑みたかったのかもしれない。
自分でもほとほと呆れる。
どんな優越感だ。



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◇あらすじ◇ 萩元 雫(はぎもと しずく)は、 記憶が抜け落ちてしまう “解離性健忘”を患っている29歳。 人並みに結婚願望もあったが、 男性とカラダの関係を持とうとすると そのたびに記憶が途切れてしまい、悩んでいた。 人々の幸せな瞬間を写真に残したいと、 結婚式の撮影を任される ブライダルカメラマンとして働いていたが、 アシスタントで急遽参加した雑誌の撮影現場で、 “抱かれたい男”ランキング1位の モデル界のプリンスと謳われる 宝来寺 伶(ほうらいじ れい)と出逢う。 大ファンの彼を間近に浮かれる雫だったが、 彼は雫を知っている様子で、 雫が彼を覚えていないことに不機嫌になってしまう。 その上、 「俺をその気にさせてみて」 と、キスのご指名! さらに、プロポーズまで…!? 自分の過去を知っているらしい伶と、 抜け落ちた記憶を取り戻していく物語。 ◇登場人物◇ 萩元 雫(はぎもと しずく) 解離性健忘を患うブライダルカメラマン。29歳。 男性とカラダの関係をもつこと、 撮影されたことを意識すると、記憶が途切れてしまう。 宝来寺 伶(ほうらいじ れい) モデル界のプリンスと謳われる売れっ子モデル。 雫の過去を知っているらしい。24歳。 麻生 流司(あそう りゅうじ) 雫の元彼。有名大学卒、大手商社勤務のエリート。31歳。 石神 廉(いしがみ れん) 冷静沈着な伶の敏腕マネージャー。36歳。

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