好きが涙に変わって溢れてく。

いつか好きになれたら






普通の友達なんて、やっぱり私には耐えられない。


叶わぬ想いが募るだけなら、関わらない方がずっといい。



私が自分で決めたこと。



だけどね、魁。出来ることなら、誰のものにもならないでほしかった。

ずっと、魁は魁のままでいてほしかった。


だからかな?こんなに泣きたくなるのは。


涙の本当の意味を、知りたくないよ。


どうしたらこの気持ち、なくなるのかな……







「桜綾……」



私と目線を同じにして頭をそっと優しく撫でてくれたのは、彩葉。


何も言わずに抱き締めてくれたのは、瞳。


今にも泣きそうになっているのは、逢織。



みんな……



「桜綾はバカだよ」



瞳が、震えた声でそう言った。



「泣くの我慢して、無理して笑って、本当は、どうしようもないくらい好きなくせに……。私たちの前じゃ、嘘つく必要もないのに……」



ギュッと、瞳の腕の力が強くなる。


違うよ。

そんなつもりじゃなかった。嘘をつくつもりなんてなかった。


ただ、自分で決めたことだから最後まで突き通したかったの。



でも……ずっと気付いてたんだね。




「桜綾……もう無理しなくていいから、ね。泣きたいなら、思いっきり泣きな。今なら誰もいないし、大声で叫んだって大丈夫。我慢してちゃ、疲れるだけでしょ?」



涙が溢れてくるばかりで、何も言えない。


頷くと、私は今まで堪えてきた涙を一気に解放させた。

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