【完】キミは夢想花*


ボクは妖だ。



自分達の住処を守るために、人間を殺して生きる。

非道な生き物。



妖はそんなこと考えず、ただ殺す。

殺したことに対して、なんの罪意識もなければ、罪悪感もない。



ボクはそれが小さい時から嫌で嫌で仕方がなかった。



殺す以外に方法はないのか。

生かすことはいけないことなのか。



そう考えない日はない。



でも、ボクは生まれた瞬間から、この妖の世界を指揮する立場と決まっていたのだ。

ボクが決まった理由はただ1つ。

誰もが誇る美しさを持って生まれた。ただそれだけ。



この世界は美しさが全て。



美しいものに従う世界。



ここでは、美しいということは罪なのだ。

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