とあるレンジャーの休日

「まだ暗いから大丈夫かと思ったら……今日、ゴミ出しの日だった!」

 そのまま立ち上がり、紫乃は小走りで部屋を出て行く。
 歩はそれを布団の中から見送って、大きなため息を吐いた。

(なんだよ、もう)

 彼も起き上がり、ベランダ側の障子を開ける。
 薄暗いと思っていた外は、あいにくの曇り空――

 今にも降りだしそうな重たい雲を見つめて、歩は再び、細く長い息を吐きだした。


< 117 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop