とあるレンジャーの休日

 しばらくして、あまり食の進まない清二郎が早々に席を立ち、紫乃に「明日は頼んだぞ」と言い置いて、部屋に戻ってしまう。

 紫乃はその後ろ姿を見送りながら、テーブルの下で拳をギュッと握りしめた。

 ――いくら心配してもキリがない。
 それに、検査結果が出てみないことには何も分からないし、焦ってどうにかなることでもない。
 紫乃は気持ちを落ち着かせようと、何度も自分にそう言い聞かせる。

 その時、握りしめた拳の上に、横からそっと手を置かれて、紫乃は顔を上げた。
 歩が微笑んで、優しくポンとその手を叩く。

「大丈夫だよ、きっと。じいちゃんのことだからさ、必要なら自分で手術してでも復活するって」

「は? さすがに自分では無理でしょ」

 そう紫乃が返すと、正面から吾郎が身を乗り出してきて、言った。

「いや、じいさんは昔、本当に自分の足を縫ったらしいぞ。その時、その場にいた医者の中で『俺が一番上手かったんだ』とか言ってたな」

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