ヘタレな貴方と強がりな私
気持ち


「おはよう、染川さん」


『おはよう…小鳥遊くん』



週の始め、月曜日
いつもと変わらない電車
混雑している車内
いつものように小鳥遊くんのとなりに立つ


「…染川さん?」


『ん?』


「もしかして、寝不足?目の下…ちょっとクマ出来てるよ」


コンシーラーで隠したつもりが
クッキリついたクマは隠しきれなかった


『うん、ちょっと夜更かし』


ははっ、と笑いながら
小鳥遊くんから顔を背けた
髪の次はクマだ
なんで、そんなに敏感なんだろうか
見て見ぬ振りをしてほしい
女の扱いが上手いなら
そういうところも上手く扱ってよ、と
心の中でぼやいていた

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