思い出の木
出会い
バス停の上にそびえ立つ大きな木。
春になるとその木は1面ピンク色で包まれる。
その日も私はピンク色のトンネルの下でバスが来るのを待っていた……。

ファ~眠い。
昨日まで春休みだったからダラダラしてたから早起きなんて辛いよー。
新学期が始まることに対して気だるそうにバスを待つ白井 奈桜(しらいなお)
高校2年16歳。
イヤホンをして音楽を聴く

次は四つ葉学園前、四つ葉学園前~

\ハッ/と我に返る

始業式を終えてクラスに戻る

なーお!また同じクラスだね!
中等部からずっと同じクラスでめっちゃ嬉しいよ!

私もだよ!未久!
声をかけてきたこの子は中等部からの親友の 木村 未久(きむらみく)

てか、棗先輩今日もかっこよかったね!

うんっ/////

あれ?なお。顔真っ赤だよ?

あのね!棗先輩 自分と同じバス停で降りることが分かったんだ!

は!?ずるぃ~

今日初めてだよ 棗先輩今日もイケメンだった////

棗先輩とはバスケ部のキャプテン、笹崎棗(ささきなつめ)
みんな彼のことを好きでファンクラブが出来るほどだった。

じゃあね!未久、また明日!

うん!またね~

バスの中で音楽を聴きながら気がついたら眠ってしまっていた。
ふと目を開けると窓の外は雨が降っていた。

あーぁ。ついてないやー今日は傘持ってきてないしー
なんてことを思いながら
窓の外を眺めていた
遠めに私の大好きなあの木が、見えてくる
雨はかなり横降りに降っていた。
わたしはそのままバスを降りた
なのに、私の上は雨が降ってなかった。

あれ?ふと上を見ると棗先輩が

雨に濡れると風邪ひくよ?

あ/////ありがとうございます。

あ、じゃあ、おれこっちだから、この傘さして帰りな。
また明日学校で会えるといいな。

そう言うと先輩は降りしきる雨の中
走って帰っていった。

これが先輩と私の出会い。
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