君が涙を忘れる日まで。
ラッキーロードに入ると、両サイドにずらりとならんだお店は当然ながら全て閉まっている。


「ていうか今何時なんだ?」

「分かんない。時計ないし。でもあそこのパン屋もまだ閉まってるし、六時半くらい?」

少し先にあるお店を指さしながら言った。


「じゃーみんなまだ寝てるかな」

「さぁ、どうだろう」


香乃はきっとまだ寝てる。朝は弱い方だし、準備には時間がかからないタイプだから起きるのは結構ギリギリだし。


「しっかし静かだよな」

「うん」


始発電車もそうだったけど、こんなに静かなラッキーロードを歩いたのは初めてだ。


しばらく歩くと、左側に百均が見えてきた。勿論シャッターは閉まっている。

通り過ぎようとしたのに、足が勝手に止まってしまった。


シャッターの方を向き目を瞑ると、今でも鮮明に浮かんでくる。

笑い声も笑顔も、迷い戸惑っている自分の姿でさえ……。



「樋口どうした?百均行きたいのか?」

幸野君が心配そうに私の顔を覗き込んだ。


「私ね、文化委員だったの。だから文化祭の準備でここによく来たんだ」

「まじで?文化委員ってちょー大変だっただろ?」


「うん、ものすごーく大変だった。トラブルもあったし……」





  *****




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