天国からの贈り物 上期

秀ちゃんと同じ音色を持つ人


まさかこの人だったなんて…。

あり得ない!

「う…本当なの…?」

翼『あぁ。部屋にピアノがあるぞ』

天『ぷっ!不細工な顔!!』

「なんですって!!私は信じないからね!!」


信じるもんですか!!

翼『天先輩!何か、鈴が楽器弾ける人探してるみたいなんで、天先輩ピアノ弾けるしどうですか?』

天『断る!!』

「あんたなんか誘わないわよ!!翼、もう帰ろう」

翼『ちょっちょっと、待てって!先輩また明日!』

陵『えっ(;ω;)待って…。』


私は陵先輩の声を聞かずに、翼の腕を掴み学校をでた。

やっとピアノ経験者に出会えたと思ったのに…
あんなやつなんて…

翼『鈴、何で天先輩をあんなに嫌うんだ?』

「はぁ?嫌いだからに決まってんじゃん」

翼『何かあったのか?嫌いになるようなこと』

私は翼に天先輩と最初に出会った時から今までのことを全部話した。

翼『お前、気に入られてるんじゃん?』

「はぁっ!?どこがっ!?」

翼『うるさっ!天先輩はな、基本的に突っかかっていかないタイプだから俺だけじゃなく、奏多さんたちもびっくりしてんだよ。天先輩は嫌いな奴ほど喋ろうとしないから』

「だったら、もっと木村先輩みたいに優しくしてくれればいいのに…。」

そうだよ!もっと優しく話してくれれば、私だってこんなに嫌な思いしない。

私と翼は、帰りにスマックスに行きスマックスバーガーを頼んで、世間話で盛り上がった。

「あーあ、翼みたいな人が部員になってくれればなぁ〜絶対楽しいのに…(*´-`)」

翼『無茶言うな!俺は楽器弾けないんだから』

「初心者でも大歓迎だよ╰(*´︶`*)╯♡?」

翼『でもなぁ〜』

「じゃあ、明日音楽室行って何か楽器触ってみない?」

翼『俺はいいよー。楽器壊しそうだし』

「じゃあ、一緒に明日音楽室に付いてきてくれない?」

翼は付いてくならいいよって言ってくれた。
正直、1人で音楽室に入る勇気がなかったから…。

ー翌日

「翼、開けるよ!?」

翼『いちいち、報告せずに開けろよ…(*´-`)』

「だって…緊張するんだもん…。」

ガシャッ



キィ〜

音楽室を私は開けた。


「…。」

翼『…。』

翼・私『「すっげぇ〜〜*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*」』


音楽は新築のように綺麗で、楽器もすごく綺麗に収納されていた。
私はピアノに触れて、鍵盤に手をかけた。

ぽろんっ♪


秀ちゃんがくれた曲弾いてみようかな…。


ぽろんっ♪



♪〜♪〜…


翼『…。うまっ(*´ω`*)』

弾き終えた私は、窓を開けて外の空気を吸った。
翼『お前、ピアノ上手いんだな(^_^)』

「ありがとう。でも、この曲は未完成なの…。」

翼『どこが?上手いと思うけどなぁ(*'ω'*)』

翼にもう一度お礼を言うと、誰かが私に声をかけた。

『何?そのジメジメした音…(-᷅_-᷄๑)』

声がする方に目を向けると、そこには天先輩と奏多先輩と陵先輩がいた。

「どうしているの?」

奏多『すみません。ドアが開いてて、ピアノの音がしたのでお邪魔させていただきました。』

奏多先輩は丁寧に説明してくれた。それに比べて、天先輩はいつもいつもムカつくセリフしか言わない。

てか、入ってくるな〜( *`ω´)


天『お前…』

「何よ!」



天『ピアノへたっぴだなっ!!』



「っ〜〜(๑•ૅㅁ•๑)イラッ」


マジうざい〜〜(*´Д`*)!!


天先輩は私からピアノを奪って、鍵盤に手を添えピアノを弾き始めた。

ぽろんっ〜〜♪

悔しいけど私より上手い…。



それに…





すごく懐かしいピアノの音…




〝鈴!一緒にピアノ弾くかぁ?( ^∀^)″

〝うん(๑>◡<๑)鈴ね、秀ちゃんのピアノだ〜いすき╰(*´︶`*)╯♡″

〝俺もだよ。鈴も鈴のピアノも大好きだ。″

秀ちゃんとピアノを、弾いたときの事をおもいだす、


忘れるわけない…




このピアノの弾き方は絶対に…




秀ちゃんのピアノの音…




でも、どうして…?



秀ちゃんいないのに





私は、気付いたら目元から涙を流していた。
私はピアノを弾いている天先輩に近づく、


翼と陵先輩と奏多先輩は私が泣いているのに気づき、私の方を気にしている。






「しゅ…」


♪〜♪〜

ぼやぁ

天先輩の横に秀ちゃんが立って天先輩を優しくみている。



秀ちゃん…?


「しゅ…秀ちゃん!!」


ビクッ!!(天・奏多・陵・翼)

私の叫びにびっくりした4人は、私の方を見ているが、私は秀ちゃんしか見えていない。


だが、天先輩がピアノを弾くのをやめたと同時に秀ちゃんはす〜っと消えていなくなった。


「秀ちゃんっ!!待って!!行かないで!!」


翼『おいっ!鈴、どうした!?』

私が泣いて取り乱してるのを見て、翼はあたしの肩を掴んで問いかけてきた。
私は翼の言葉で我が身に返る。



「ごめん…。何でもないから…」

翼『何でもなくないだろ!』

「何でもないんだってばっ!!」

私は怒鳴るように言ってから、キツイ言い方をしてしまったのに気づいた。

「ごめん…。今日は悪いけど、私…帰るからみんなも出でもらっていい?」


私は秀ちゃんのことで頭いっぱいでまた泣きそうになる。

翼『おいっ!鈴…』

陵『翼、今はそっとしておいた方がいい…』

奏多『そうですね。天、帰りますよ。』

天『……。』


天先輩は必死に涙を堪えている私を見ていた。

きっと何だこいつだとでも思ってるんだろうなぁ。そんな事を考えていたのに…。


天『この曲はーーー。』



つづく…。



次回の更新予定

11月25日


楽しみにしてくださった皆さま。
この度は、更新期限を遅れてしまい申し訳ありませんでした。

これからも夢咲叶羽をよろしくお願いします。






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