危険地帯
地下から出て、廃ビルから一歩踏み出したら。
ようやく、律の足が止まった。
ついでに、急に止まった律にぶつかって、私も止まった。
どうして律は止まってくれたんだろう。
「てめぇら、何してんだ?あ?」
疑問に思っていたことは、すぐにわかった。
目の前を見ると、そこにはたまり場に戻ってきた深月と司がいた。
「何って、これからデートだよ~」
「は!?デートって、相手は……」
「もちろん、羽留」
「!!??」
律に横からギュッと抱きしめられて、固まる私。
深月と司は、驚きを隠せない様子で、私と律を見ていた。
「作戦は?」
「あっ、忘れてた~」
司の問いかけに、律はとぼけたように言う。