危険地帯
私のことなんて、気にしてなかったんでしょ?
「連絡しなかったのは、家に帰らない理由があると思っていたからだ」
「え……?」
「だから、いつかちゃんと帰ってくると、羽留なら大丈夫だと、信じて待っていたんだ」
涙が、こみ上げてきた。
窓の外から、雨音がうっすらと聞こえてきた。
「まさか入院してるとは思ってなかったから、正直焦ったよ」
お父さんは、何がおかしいのか、ははっと笑った。
「連絡が来た時は心配したが、やっぱり大丈夫だろうと思っていたよ」
「どう、して?」
そう尋ねた声は、震えていた。
そのことに、お父さんはこれっぽっちも気づいていなかった。
いつも自分自身に唱えている「大丈夫」が、私の心に落ちてきた。