強気な彼女は逃走中
ええぇぇぇ!

てことは、やっぱり婚約指輪であってたの、あれ!

元カノ作、婚約指輪…。

嬉しいんだか、なんだか…複雑な気分。

「で、どうすんの?今のままじゃ断られるのは、目に見えてるけどな。」

「諦めるつもりはない。時間がかかってもな。」

自信ありげに宣言しましたよ、夜都さん。

「まぁ、時間かけてたら、誰かにソッコーかっさらわれるよ。アリアちゃん、ハーフで蒼いパッチリお目めでブラウンのフワッフワの髪。そんな可愛いすぎる容姿なのに、性格も気さくで、近づきがたい印象もないし。」

褒めすぎでしょ。

てか、聞いてるの知ってて言ってるから、からかってるのはわかってるけど、なんか恥ずかしい。

「わかってるよ。それに、過去は後悔しても意味ないから、とりあえずもう一回落ちてもらうしかねーだろ。」

「へぇ。お手並み拝見!」

ちらっと笑い顔をこちらに向けながら、そう言ってる礼於くんは相当楽しんでると思う。

苦笑いしか返せない私だけど、ああ、夜都はこんな強気な男だったなぁと、今さら認識してしまった。


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