体は小さいが、心は大きいんです!
翌日の月曜、俺は寝不足だった。

布団は来客用があったから問題はなかったのだが、俺のベッドと同じ部屋に布団を並べる訳にも行かず、居間に布団を敷いて寝てもらった。

だが、トイレに行くにも、台所に行って水を飲むのにも居間を通らなければならず、風呂上がりの部屋着姿の埜々香が寝ていると思えば、興奮しない方がおかしかった。

とても眠れたものでは無く、早朝にシャワーを浴びたが、居間に寝ている埜々香を見て、又、昂ってしまい、とても疲れた。

彼女の部屋着が学生時代のジャージで色気がなかったのが幸いだった。

これから何日もこんな状況が続くと思うと、気が遠くなる。

誰でも良いから、助けてくれ、て心境だった。




「新田課長、ちょっと良いかな?」

伊藤部長が俺を呼ぶ。

「昨夜は 眠れなかったみたいだね、御苦労さん。

で、昨日の話なんだけど、資源ゴミ置き場の新聞を調べた所、切り抜きされた物が見つかってね。

防犯カメラのデーターを調べたら、男女一名ずつが、最近新聞を手に出入りしていたよ。」

「資源ゴミ置き場に防犯カメラですか?」

「ああ。余り知られてはいないが、不審火なんかの防止の為、目立たない場所に設置してあるんだ。
もう少し待ってくれ。」

「部長の家、奥さんいますよね?
今晩泊めてやってくれませんか?」

「ははは、もう、降参か。
そう言われると思って、妻に言っといたよ。
3日は泊めてやる。
その後は妻が留守になるから無理だけどな。」

「はあ~、助かります。
寝不足で死にそうですからね。
その後は、ホテルにでも泊まってもらいますよ。」

「ま、こっちもなるべく急いで特定するからな。」

その日は特に何事もおきず、部長の家に連れていってもらった。

これでゆっくり眠そう、と思ったが、
部屋の中に彼女の残り香が漂いすぎてて、又、悶々とした夜を過ごす羽目になったのだが。




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