ボーイズロード ―second season―
♧3章 楠木琢哉
「すげー!琢ちゃんのケータイ、FOMAじゃん!」

「いいな、俺も携帯壊して買ってもらおっかな」

「だから、わざとじゃないんだってば」


200X年。ドコモのFOMAが流行りだした頃、4人組の中では俺が一足早くそれを手にすることになった。


もちろん、これにはちゃんとわけがある。

……あんまり言いたくないことだけど、こいつらはその理由を知っていた。

だって、こいつらの目の前でそれは起こったから。


「だけど、琢ちゃんもドジだよね。ケータイ落とした挙句に、それを自分で踏んづけちゃうなんてさ」


「カツーン、バキーンって音してたよな」


……そういうこと。

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