猪の目の酸化還元反応
「夢鼓創(ムツヅミ ハジメ)っていう作家さん、いるんでしょうか?」


「うーん…、聞いたこと無いなぁ。その人がどうかしたの?」



「夢鼓さんが鞄を落とした時に、その人の本があって。面白そうな題名だったから読もうと検索したんですけど無くて。編集長達にも聞いたんですけど、皆知らないって。」



「で、本人に直接聞こうと思ったのか。」


「部長、聞いていたんですか…」



営業部部長、蟆鈷碼力(マゴメ リキ)は聞くつもりが無くても狭い部署内だからと抗議をスルーする。



「俺も聞いたことが無いな。本名だとしたら夢鼓と同じだし、家族か親戚だろう。前は印刷所に勤めていたと言っていたから、自費で作ったんじゃないか?」



「成る程!」


「おい、欣箸!営業部なんかで油売っているなら、こっち手伝え!キンキンカンカン言う暇ねぇぞ!」



「あ、はい!」



資料を抱えながら編集長の鸛吊数伸(カンヅル カズノブ)は叫ぶ。



「営業部なんか、はないだろ。」


「おう、蟆鈷!マゴマゴ煩いぞ!緕悍も微かな光を爆発させて照らしてくれよ!」



自分は鸛を吊り数を伸ばすということを盾にして、名前をもじるのが好きらしい。
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