風の子坂を駆けぬけて

ないしょ話



知優と沙耶が親しくなってからしばらく経った頃の事。


幼稚園も卒園まであと数か月という時期に、彼女達に新しい友達ができた。

彼女達のクラスに転入してきたのだ。




はきはきと物を言い、元気によく笑う女の子。

ツインテールとショートパンツがトレードマーク。

どこか少年ぽい無邪気さを感じさせる。



そんな彼女の名前は『明日香(あすか)』。




明日香も絵を書くのが好きで、知優達と親しくなるのはあっという間だった。






いつものように知優と沙耶が向かい合って絵を書いていると、

「いいなー、わたしね、ネコの絵得意だよー」


こっちの返事などお構いなしに、自分のらくがき帳を机にどんと広げると、サササッと書くとにっこり笑った。




そんな事がきっかけで絵を書く時間は3人になった。


というよりも絵だけではなく、移動する時間も手を洗う時間だって、3人で行動することが増えていった。








< 17 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop