目覚める度に、傷ついて
「別に……どうもしてないよ?」


そう返事をする声が情けないほどに震えている。


「本当? 顔色が悪いよ?」


そう言い、穂月があたしに手を伸ばす。


その手が伸びて来た瞬間、思わず振り払っていた。


パンッ!


と手を振り払う音が響き、ハッと我に返る。


「ご、ごめん」


咄嗟に謝って穂月を見る。


穂月は冷たい視線をあたしへ向けていた。


「別にいいけど、大丈夫?」


「だ、大丈夫だよ。ごめんね穂月」


穂月はあたしが振り払った方の手をさすりながら、司と一緒に離れて行ったのだった。
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