目覚める度に、傷ついて
告白する
あたしが世界で一番不幸だなんて、うぬぼれだった。


自ら不幸に溺れてヒロインを演じているだけだった。


可愛そうな自分が好き。


その事に気が付いたあたしは、知らない部屋で目を覚ました。

目を開けて白い天井を見た時、小さく息が漏れて出た。


部屋を見回す前に、右手に冷たい感触があって視線をそちらへ向けた。


穂月のスマホが右手に握られていた。


あたしは画面を確認する。


『司が逮捕された』


それは夏斗からのメッセージだった。


穂月はそれに対して返信をしていない。


あたしは上半身を起こして頭を強くふった。


体も頭もひどく痛い。


穂月は夏斗からのメッセージを呼んで眠れなくなってしまっていたのかもしれない。


部屋の中に姿見を見つけて自分の顔をうつしてみた。


穂月の目は真っ赤に充血していて、目の下にはクマができている。


頬には泣いた後がしっかりと残っていた。


あたしは大きくため息を吐き出した。


やっぱり、あのメッセージでひどく泣いたようだ。


司のような男でも、こんなに想ってくれている人がいる。


あたしも司も、その事に気が付いていなかったのだ。
< 170 / 202 >

この作品をシェア

pagetop