目覚める度に、傷ついて
「でさ、今日はお前も聞かれるかもしれないと思ってさ」


「あ、あぁ。そっか、わかった」


あたしは頷いた。


天真は余計な事は言わない方がいいと言っているのだ。


イジメのリーダーたちに裏切りがバレたら、どうなるかわからない。


その恐怖心がある事を知っていた。


だけど、イジメメンバーの天真が質問されたと言う事は、先生はある程度何が起こっているのか把握していることになる。


逃げていても時間の問題だろう。


それから天真との会話は少なく、あたしたちはあっという間に学校に到着していた。


教室に入ると天真があたしの席を気にして見ている。


「今日は来るかな?」


天真に聞かれても「さぁ?」としか返事ができなかったのだった。
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