キミの笑顔が見たいだけ。
なんだか照れくさいな。
前に矢沢先生に恋愛相談しちゃったし……。
先生はあの時、あたしの好きな人が晶斗だって知ってたのかな。
知ってたとしたら……恥ずかしすぎるよ。
泣いたりしちゃったもんね。
カーッと顔が熱くなるのを、両手で覆って隠した。
「なにやってんだ?」
それを見た晶斗が首を傾げる。
「べ、べつに、なにもっ!」
「ははっ、変な奴」
「……っ」
「菜都ちゃーん、こっちおいで〜!」
お姉さんとお母さんに手招きされてそばに行くと、ベビーベッドでスヤスヤ眠る赤ちゃんを発見。
「めばえちゃんだ〜!」
「そう、娘なの〜!可愛いでしょ?」
「はい、晶斗から写メを見せてもらったりしてて。ずっと会いたかったんです」
赤ちゃんってこんなにちっちゃいんだ。
すっごい可愛い。
ずっと見てても飽きないほどで、自然と頬がゆるむ。
「赤ちゃん好きなの?」
「はい!」
「菜都ちゃんはおっとりしたママになりそうだね」
「おっとり?確かに弟やお父さんにも、よく鈍臭いって言われます……」
「やだ、あたしは鈍臭いなんて言ってないから〜!」
「おっとりって、そういう意味じゃないんですか?」
「ちがうよー、優しそうってこと」
「優しい……?あたしが?」
「のほほーんとしてるし、一緒にいると癒されそう」